ケレン味が増して派手でより攻撃的になった。とはいえいろんな要素が混在してて、作品としては過渡期っぽい。YBAの時代っぽい空気。
ロンドンの湿度も匂いも硬さも孤独も、ここに全部ある。Whatever the Weatherでは空気を、ロレイン・ジェイムズでは心象をスケッチしている。その手つきがいい意味で小慣れてる感じがして、前作よりも好きな一枚。
Onとかノースフェイスの広告に合いそうな感じ。耳あたりがハイファイで澄んでいる。『Music, Fashion, Film』にも通ずるひしゃげたギターの音がかっこいい。声がそう感じさせるのか、シルヴァン・エッソの音楽はいつも芯からアップリフティングで、ロードトリップとかハイキング的なアメリカらしい開放感がある。タナトス皆無。
たしか中学生の時に図書館で借りてよく分からなくてそれ以降聴いてなかったが、いい!『Innocense』のトライバルな感じとかめっちゃいい。『Vespertine』期がベストだけど、このアルバム期のグラフィックもかっこいい。いまM/M (Paris)みたいなオーガニックだけどバキバキな感じ、気分なんだよな。
非常にヨーロッパ的なクラブミュージックに、決してソウル的ではないソウルフルな歌唱。YUKIやUAのようなJ-POPディーバを聴いたことがあるから驚かないけど、相当ユニークな存在だったんだろうと想像できる。かわいくてポジティブでめっちゃ好き。同年に出たジャネット・ジャクソンの『Janet.』とも似た、日常の延長にある陽性のバイブスを感じる。
ほぼビョークを聴いたことがなかったので、最近一から辿っている。ハイキングしながら聴きたい、自然を擬態するようなサウンド。YouTubeでこのアルバムツアーの映像ばかり見ている。『it’s not up to you』いい曲。
『Less than a Lover』、『Fallen Angel』、そして次のシングルになるだろう『Sweet Tooth』と、今回はハイパー+ドリームポップ路線。もうジェニのことしか考えられないくらい好き。愛と勝利のために生きる、ハーレイ・クインのような存在。サマソニで見れて本当によかった。カサビアンはかわいそうだった。
♥ 1
Black Country, New Roadのジョージア・エレリーがJockstrapの活動で欠席していた頃、代わりにツアーに参加していたバイオリニスト、Nina LimのファーストEP。『哀れなるものたち』や『ファンタジア』のサウンドトラックからの影響を、素直に表現したキッチュで親しみやすいいい曲が揃っている。インターネットネイティブのベッドルームポップを19世紀からの歴史認識で捉え直すような、レトロモダンなガールフッド解釈。正しく室内学的なチェンバーポップ。
とにかく80年代の録音物が耐え難かった十代の頃、自分はデジタル黎明期の電子音ではなく、AORやフュージョン的な「擬似シルキー」な感じが苦手だったのかも。『スリラー』はどことなく霊妙で独特な抒情性があるけれど、これはそういった解釈につながらないような、即物的な音楽だと感じる。今聴くとLCDや砂原良徳のようなシンセサイザーマニアな作家たち、さらにここにある音像をデコンストラクトしたようなDijonの作品を連想できる。剥き出しでふくよかなシンセの音、だからこそ生まれるバウンシーなビートが心地いい。
Geeseといい彼らといい、バンド固有の演奏のクセみたいなものを、詰めて洗練させてるのが素晴らしい。エステティックとしてのインディーじゃないというか。EPの段階では、流石にこれは既視感のあるただのロックすぎると思ったけど、このアルバムでは、メンバーの身体性が音に出るまでリハーサルを重ねたのがわかる。たくさん練習するバンドはいい。曲それ自体の新鮮さではなく、このメンバー同士に生まれる固有のインタラクションにフォーカスしている。いい意味で、ファッションでやってない感じ。
トークボックス風のエフェクトが面白い。ベースのフィルターでもそんな感じのかかってる。曲はCSSからディスコとクイアフレンドリーな要素抜いた感じで、つまりめっちゃ普通のバンド音楽。「等身大の私たちのスケッチ」的な詞なり曲なりから、彼ら特有の切り口を見つけられたらブレイクスルーするのかなーと、いちおう応援してるくらいには好きです。
想像以上にエモで、ほんのりエレクトロニック。アートディレクションやストーリーを感じる構成などから、まずM83の『Hurry Up, We’re Dreaming』を連想した。ていうか普通に良い曲ばっかり。これだけで1ヶ月は聴き続けられるような、丁寧で繊細なプロセスの積み重ねが生んだであろう、異形のカントリーロックアルバム。
♥ 1