3月は、歩ークウィン菜ーの音楽史の通覧でした。 70年代ソウル・ファンク・ジャズからヒップホップ、そして現在進行形の日本の作家まで、時間軸を大きく跨いで深掘りされています。月を通じて一貫しているのは「心に刻まれる瞬間」への執着です。浮の「つきひ」やカネコアヤノの「抱擁」では、その響きが色褪せない理由を、自分の胸を貫く何かとして書かれています。同様にLEROY HUTSONの「HUTSON Ⅱ」では、スルメイカ漁の喩えで全身を揺さぶられる感覚を表現されているように、音楽との出会いが身体的で無防備です。 岡林風穂の「BLUE IS SO BRIGHT」への「2025年のエポックメイキングな傑作」という評は、その時点での確信を示しています。一方で評価は甘くなく、Baby Hueyのアルバムで「ご愛嬌」とスキップを認めたり、Ohio Playersで「4点でもいいぐらい」と逡巡したり、本当に好きなアルバムだけを信頼しています。古典と現在を同じ耳で聴く誠実さが、この月全体を通して感じられます。 歩ークウィン菜ーにとって3月は、音楽の時間軸が一直線ではない事を確認した月でした。
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