6月は、大作の再聴と新作の開拓が共存した月です。 照沼健太の月を彩ったのは、やはり古典への深掘りです。ニルヴァーナの『MTV Unplugged In New York』やマイケル・ジャクソンの『Thriller』『Off the Wall』は、いずれも5つ星の評価。特に『Off the Wall』については空間オーディオ版への高い評価を記しており、聴き慣れた作品こそ新しい技術で再発見する喜びが生まれると語っています。その一方で、米津玄師の『Bremen』に向けられたレビューは現在地からの問い直しに満ちています。「J-POP」そのものとしての壁を越える試みだったのか、それとも壁そのものを描いた作品だったのか。その問いは、今月の聴き手の関心の鮮度を示しています。 また『For Love of Grace & the Hereafter』への「AI時代に『生きてる』と感じられる音楽」という評価からは、2026年という時点での音楽的な求心力がどこにあるのかが見えてきます。ドレイクやスクリレックス、ディスクロージャーといった評価のみの作品群に、ポール・マッカートニーも加わり、古今東西の音像を横断する聴き方が明瞭です。 6月は、音楽との距離を柔軟に保ち続ける月でした。
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