『Are You Experienced』のUSリリース5日後のハリウッド・ボールでのライブ。リリース間もないビートルズ『Sgt.Peppers』をラフなヘヴィ・ブルース仕様に解釈する反射神経、ハウリン・ウルフ『Killing Floor』も同様にヘヴィ・サイケデリック・ブルースにアップデートを筆頭にオリジナル以上にカバーが光り、偉大なアーティストはカバーも一流であると改めて。ちなみに、Mamas &Papasの前座。
オリジナル・エクスペリエンス最後の北米ツアー期のライブ音源。11分にも及ぶ長尺のブルース「Red House」などのハイライトがありつつ、「Voodoo Child」からクリーム「Sunshine Of Your Love」へと雪崩込むラストはサイケデリック・ブルースを鳴らしてきたトリオのピークを収めているかと。
Bruce Cockburnが新作でも取り上げていた「Four Strong Winds」のNeil Youngによる奔放さを感じさせるカバーも収録している1978年のアルバム。ペダル・スティールやフィドルなどにストリングスが加わる、パンクの時代にはだいぶ浮いていたらしい、メロウ・カントリー・フォーク。ほぼ全編に登場するNicorette Larsonのコーラスも存在感があって良い。個人的には『渚にて』と並ぶNeil Youngのベスト・アルバム(新作の『Second Song』も加わりそう)
Bruce Cockburnの代表作は1971年の2枚目となるこのアルバム。ダルシマーやバンジョーにマンドリンやゴングなどのパーカッションで繰り広げられる牧歌的で内省的なフォーク・アルバム。マイナー調のトルバドゥール・フォーク「Love Song」、ルネサンス期の音楽を参照したリュート風ピッキングが神秘性を生み出すアルバム・タイトル曲、オープニングを飾る「Happy Good Morning Blues」のラグタイム・ブルースなど。
80代を迎えて初となるカナダのSSWによる2026年新作。フォークやジャズ、ゴスペルといったルーツとなった楽曲を自身の今の年齢や時代にあわせて再解釈。Neil YoungやJohnny Cashも取り上げたIan & Sylviaの1963年のヒット・ナンバー「Four Strong Winds」にはフォーク・カバーは老齢にしか出せない落ち着きと思慮深さを感じさせます。
この前後が2枚組と3枚組かつコンセプト的にもインパクト大がゆえに見落とされがちではあるけど、シンプルで慎ましいアコースティック・サウンドを基調に、時にボーカルやギターの音色が調子が外れたようにフリーキーに変化する'00年代日本のアシッド・フォーク名盤の1つ。 ニック・ドレイクやヴァシュティ・バニヤン、後のフリー・フォーク勢や近年の森山直太朗のアコースティック・サイド辺りが好きな人はぜひ。
トラディショナルなフォーク・ミュージックとジャズの融合といった趣の好盤。 抒情的でかつ熱の籠もったMali Sheadのアルト/ソプラノ・サックスの演奏も良い感じ。 Tomorrow's Warrior出身とのことで、ロンドンのジャズ・シーンの充実ぶりを2026年に伝えるアルバムの1つかと。
豪華ゲストを迎えたカバー&デュエット集。Cat Powerとのヒューマン・リーグ「Don't You Want Me」のような最早原曲のメロディくらいしか残っていない意外なものから、チャカ・カーンを迎えたドリー・パートン「Island In the Stream」、Destin ConardとMoses Sumneyによるロバータ・フラックとダニー・ハサウェイ「The Closer I Get to You」、アノーニによるスピリチュアルな雰囲気のソニー&シェール「I Got You Babe」、Willowの起用に何かしらの文脈を感じなくもないTemple Of the Dogのグランジ裏名曲「Hunger Strike」などバラエティに富んだ仕上がり。
ジョニー吉長の1978年ソロ2nd。 オープニングからタイト&高速にビートを刻むインストから圧巻のドラム・プレイを披露。そのほか、「木曽節」の激渋ブルース・ロック解釈、金子マリのコーラスとストリングスが雰囲気を出しているサイケデリック・ロック「煙が目にしみる」などが聴きどころでしょうか。
この夏にとにかく良く聴いた、Helado NegroとReyna Tropicalのコラボレーション。流麗なアコースティック・ギター、穏やかなエレクトロニクスと、抑制されたビートがトロピカルなサウンドに溶け込む極上のチル空間。リリックには内省的な一面も。
ポートランド発のマイナーAORとしても界隈では有名らしい1981年のアルバム。メロウ。
レアグルーヴ・クラシックスとしても有名な14人組大所帯ジャズ・ファンクの傑作。 9th Wonderネタとしてもおなじみミディアム・メロウ・ファンク「Sunday Morning」、後にLTJ Xperienceによるカバーが大ヒットした、オープニングのホーンからテンションが上がるラテン風ファンク「Sombre Guitar」など。
全体的に良い感じのカントリー・ロック〜フォークが続く好盤。アルバム全編を通したストーリーの構成力も見事な仕上がり。2022年に「ceiling」がバイラルヒットしたけど、改めて今年ブレイクするのではないでしょうか。 noteにレビュー書いてます https://note.com/tt51970410/n/n35ced1cbab4e
Twitterで流行っている私の音楽遍歴みたいなのを機に、久しぶりに聴いたのですが、'00年代のボーイズ・バンドによるアルバムの最高峰の1つだなと改めて。 私のThe Neptunesへの入り口は「Girl Friend」(とブリトニー「I'm a Slave 4 U」)
ピアニスト/作曲家の上田力らが1974年に発表したカバー集。 コズミック・シンセ・ファンク仕様の「エクソシストのテーマ」から「燃えよドラゴン」の高速ジャズ・ファンクのほか、John Lennon「マインドゲームス」、Three Degrees「天使のささやき」あたりがおすすめです。
James BrownやDan HartmanのサポートやBrand Xのメンバーとしても活動していたヴィブラフォン奏者/シンガーのCraig Paytonがグループ名義で残した'77年の唯一作は良い感じのクロスオーバー〜フリーソウル〜AOR。 ちなみに音楽家意外にも航空撮影技師としての側面もあり、後年はTLCやBeyonceのMVにも関わっていたらしい。
♥ 1
最近知ったイタリアのコンポーザー、Augusto Marvelliによる1978年のカルト映画「Nella misura in cui」のサントラが良かった。 基本モンド的な感じで、高速サンバや、ピアノ×ワウ・ギターのソフトなジャズ・ファンクなど、スピリチュアルなゴスペル・ナンバーまで充実の内容。 ちなみに映画は中年のイタリア左翼知識人の老楽の恋と快楽みたいな映画らしい。
1969年の知る人ぞ知るサイケデリック・ブラス・ロック。 アルバム全編、要所で鳥のさえずりが無駄に挿入されていて意味が分からない辺りにオブスキュアな香りが漂う。 ちなみに今年から来年にかけてブラス・ロックのリバイバルがくると思っています(Cherry Redも今度コンピレーション出すし)。
提供曲含むデイヴィッド・フォスターの楽曲をインストゥルメンタルでカバーしたアルバムなのですがショッピング・モールのBGM感が凄い。そして、こういうアルバムにはもれなくケニーGがいる。
'00年代の60sポップ(ガールズ・ポップ)・リバイバルと言えばピペッツだと思うのですが、当時手に入れたマリ・ウィルソンのベストと一緒に良く聴いていた。
久しぶりのポップ路線への帰還となった10年ぶりの新作ですが、シルクソニック的な現代版フィリー・ソウルからサイケデリック・ソウル、アップテンポなディスコまで佳曲揃い。
50〜60年代のナイトクラブの雰囲気やソウル/ポップスに80年代的なテクノロジーを融合させたポップ・ソウル。
ラゴスのアンダーグラウンドではPlayboi Karti以降のRageを自国にローカライズしたサウンドを鳴らすアーティストたちが台頭しているらしく、その筆頭の1人がZaylevelten。
プロダクションもリリックも現実を反映しつつ着実な成長を感じさせる力作だと思います。 レビューをnoteに書きました。 https://note.com/tt51970410/n/n2fef23eb91bb
Bill Cantosの新作にも参加したLani Hallの70年代のフリーソウル〜メロウ名盤。
晩年のバート・バカラックのサポートも務めたビル・カントスの最新作はA&Mカバー集。テイストはジャジー・メロウ〜AORでどれも良いです。Lani Hallの名前も久しぶりに見たけど、80歳の渋さというか円熟みはありつつ清涼感のあるボーカルは変わっておらず凄い。ポップスって良いものですよね。
久しぶりに聴いたけど'船山基紀によるフィリー歌謡の'10年代版として最高傑作だということを再確認。
ジョージ・ハリスンの息子であるダニー・ハリスンとナイジェル・ゴッドリッチによるユニットの1stは、90年代末のメダルや'00年代の初期ミュートマスを思い出させるアート・ロック〜フォーク・ロックで懐かしい気持ちに。デヴィッド・キャンベルがストリングスを手掛けた楽曲はベック『Sea Change』の感じも。
韓国のプロデューサー・デュオによる2026年作。ハウス・ミュージックやブギーのファンキーなグルーヴがありつつも、シンセの穏やかな音色がチル&親しみやすさを生み出しており絶妙なバランス。これは良いですね。
Andrew W.K.がまさかのジャズ・アルバムを!?と誰もが驚いたに違いないサプライズ・リリース。実は2009年にはピアノ弾き語りのアルバムも出しており、しっかりとした音楽的素養のある生真面目な音楽家であることがわかる。曲によってはInternational Anthem辺りから出ていてもおかしくないというのは言い過ぎか。
リンチ版Duneに子役で出演していたAlicia Wittの新作。ピアノ主体のジャジーな音響アコースティック・サウンドは神秘性がありながらも、同時に親密さを感じるのはJoe Henryによるサウンド・プロダクションの貢献が大きいということでしょうか。ちなみにアルバムのテーマはデヴィッド・リンチへのトリビュート。
Dexys Midnight Runners名義としては実に41年ぶりとなるアルバムがリリース目前。先行配信された新曲は甘美なストリングスの中にも哀愁溢れるブルー・アイド・ソウルで感涙。
'00年代のThe RaptureやLCD SoundsystemといったDFA勢がよりタイトなファンク・グルーヴを演奏している前半から、Yu Suらしい(?)スペイシーな電子音が合体する中盤以降まで長尺なのに全くダレなくて凄い。
今年の韓国のエレクトロニック・ミュージックの重要作の1つになるだろうKim Doeonの新作。先行配信曲「Green and Peek」リリース時にRPGゲーム・サウンド的なエレクトロニカと形容されていて成程と思いつつ、思い出したのは以前にKim Doeon本人もポストしていたSpace『Magic Fly』といった'70年代のフレンチ・ディスコ/エレクトロ。要所に取り入れている中国の伝統楽器(とそれを模したであろうシンセ・アレンジ)も良いアクセントに。
ボサノバ×ドラムマシンのビートの組み合わせで主に聴かせるローファイ・ドリーム・ポップな趣のRaquel Dimantas新作。異色ながら不思議と馴染んでいるマシン・ファンク「Tchooki Tchoo」も良い。Thiago Nassifが参加しているのも納得。超推薦。
下中洋介の流れでジャパニーズ・フュージョン/クロスオーバーの私的名盤を。福山雅治のバックバンドとかに参加している人ですね。
TAKANAKAインスパイアなアートワークのごとく、かの時代のジャパニーズ・フュージョン/クロスオーバー・サウンドで笑ってしまった。夏ですね。
70年代英国のファンキーなジャズ・ロック最高峰のアルバムです。アフロ、サイケデリック要素も随所にあり。
韓国の3ピースによるデビュー・フルレングスは、Sonic YouthやThe BreedersといったUSオルタナティブ勢やPost Punkからの影響を感じさせるサウンド。The Big MoonやWet Leg辺りとの同時代性もあり。
ブリストルの4ピースによる初のフルレングスは、要所にラフなガレージ・パンクやロカビリーのスタイルを取り込んだゴシック・ロック。ジョン・マクガフとも比較されるギターワークが聴ける「Hurricane」からは、新たなカルト・ギター・ヒーロー誕生の予感も。
櫻井敦司のボーカルは全盛期のジュリーのような色気があるのと、良い意味で歌謡的な印象も。同時にP-Modelと大沢誉志幸とhideとラルクにマッドカプセルマーケッツとブンブンサテライツとノベンバといった国産New Wave〜Industrial〜Rockを生み出した国の音楽、その2020年の極地でもあるのかしら、などと。
noteにレビュー(というかThe Strokes『Is This It?』込みの思い出話)を書いています。 これがアーリー2000sのゾスや。 https://note.com/tt51970410/n/n020e6479b07f
ロック・バンドとしてのサウンドの強度は前作よりも遥かに増した感があり、サウンドにバラエティがあるのも◎。 森岡賢参加のユーフォリック沈美系バラッド「世界は闇で満ちている」が佳曲。
10年代以降のBUCK-TICKは年月を経ることにサウンドがビルドアップしている印象で'10年代の総決算という感じ(そして次作への布石とも)。 「サロメ」、「Babel」〜ラスト「胎内回帰」までの流れが私的ベスト。
'80年代ころの国産New Waveサウンドな冒頭4曲を始め、より日本のロックという印象が強くなって印象。 「月下麗人」〜「Django!!!」あたりがエッジの効いたロックでありながら極めて歌謡的なのが面白いかなと。
国産インダストリアル・ロック〜EBM代表格としての面目躍如たる1枚。 藤井麻輝参加の「愛の葬列」が私的ベストトラック(SOFT BALLETのメンバーが参加する曲はどれもハマる印象)。
これまでのアルバムの中で最も歌謡ロック的なテイストが強い感があり。 うーん、これはどうなんだろうと今も思っています。
BUCK-TICKのキャリアの中でもR&R〜ロカビリー的な要素が多めで異色感あり。 R&R路線のジュリー曲、或いはブランキーやTMGE辺りの諸作と並列に聴いてみても面白いのかもしれない(リリィなんて曲もありますが)。
ヘヴィ路線で攻める序盤に面食らいつつも"Coyote"以降が興味深い。 エディ氏(くるり"さよならリグレット"といい、良い仕事をされる方ですね)参加の"Message"〜エレクトリック・ヘヴィ・沖縄な"Memento Mori"の流れが私的ハイライト。
アートワークよろしく、ゴシックがコンセプトだと思うのですが、BUCK-TICKの良い意味での歌謡的な素養はこの路線ではハマりますね。