音樂活動 146 筆
4月は、ジャズの香りをかぐポップスと変幻自在なエレクトロニカに身を置いた一か月です。 最も心に残ったのはForce of Nature(Sara Aldén, August Björn & Daniel Andersson)とReturn to Innocence(渡邉瑠菜)です。前者はポストクラシカルとジャズの融合が「透明感が素晴らしい」と感じさせ、後者は初期の藤井風を思わせる「オーセンティックな良さ」で、いずれも抑揚の利いた歌唱とメロディの魅力に貫かれています。一方Distracted(Thundercat)は、現代社会のドーパミンループという重いテーマをユーモアで中和させながら、超絶技巧を控えめにしたベースプレイのバランスが秀逸でした。 評価のみの作品群に目を向けると、Squarepusherの複数作品が高く評価され、エレクトロニカの深掘りも見られます。Ambiguous Desire(Arlo Parks)、Music For Lovers(Ray Laurél)、Fugitive Light and Themes of Consolation(Andrew Wasylyk)といった★4.5の作品群が並び、ジャズやクラシックの要素を纏ったコンテンポラリーな作品への傾斜が明確です。thisの4月は、余韻と透明感を求める音選びの月でした。
ポストクラシカルなテイストとジャズの雰囲気が融合したサウンドの心地よさが絶妙で、抑揚の効いた演奏とボーカルが時に胸に沁み、時に胸を震わせる。アルバムの隅々まで行き渡る瑞々しさと透明感が素晴らしい。
情報過多やドーパミンのループに囚われやすい現代社会の憂鬱という重めのテーマを彼らしいユーモアを交えながら描いた作品。著名なゲストミュージシャンを多数迎えながらも、アルバム全体はアルバムのテーマと呼応するようにまとまりがあり、ベースプレイも超絶技巧を前面に押し出しすぎない絶妙なバランス。一聴して彼だとわかる独特のメロディラインは相変わらず魅力的。
ポップスの中にジャズの香りがダイレクトに感じられ、初期の藤井風のようなオーセンティックな良さがある傑作。
一つの壮大なミュージカルを観ているような没入感。ジャンル自由自在。ジャズ・ソウル・ファンク・ビッグバンドからオーケストラまでを一筆書きで描く。最高です。