音樂活動 25 筆
6月は自分の音楽の幅を改めて実感させてくれた月です。 ミューズの「The Wow! Signal」は圧倒的でした。fafnirさんは「この20年で一番良い」と言い切り、メタリックなリフと仰々しいメロディーの組み合わせにミューズらしさを感じつつ、「Cryogen」「Hexagons」の初期的な激情に惹かれています。並行して聴いたオリヴィア・ロドリゴの「you seem pretty sad for a girl so in love」も印象深く、ニューウェイヴやスマッシング・パンプキンズ的なストリングスを纏いながら、恋愛のストーリーを紡ぐ構成が、温故知新へのこだわりを示していました。 一方で冥丁の「瑪瑙」やDua Salehの「Of Earth & Wires」といった、より実験的でジャンル越境的な作品群も並行して聴き進めています。00年代インディーのガレージロックリバイバルよりも、サンティ・ゴールドのようなジャンル越境性に惹かれてきたfafnirさんだからこそ、これらの不規則さやオーガニックさが響いているのかもしれません。夏本番を前に、ミューズの壮大さから実験的な音響まで、多面的な音楽体験を重ねた月でした。
音樂活動 24 筆
5月は、fafnirの音楽の幅広さが一気に炸裂した月です。 Gupiの「ever since」からSeefeel「Sol.Hz」まで、20件のレビューに詰まった試聴記は、ジャンルの枠を超えた一貫した探究心を映しています。特に注目は、fafnirが「00年代エレクトロニカを愛でてきた」自身の背景とLoraine James「Detached From the Rest of You」の再発見。「見直されてきている流れ」への共感は、過去の音楽がいま新しく評価される世界への信頼感さえ感じさせます。一方、チャーリーXCXの新曲「Rock Music」に対しては冷徹です。「事前に騒がせた割には意外な音は何も鳴ってない」という指摘の直後、ケイシー・マスグレイヴス「Middle of Nobody」で心がほぐれる。同じミレニアル世代としての共感が、新作での「生々しさ」に深く届いています。 Seefeel「Sol.Hz」への「これこれ!と染み入る」という最後のレビューが、5月のfafnirを象徴しています。刹那的な流行ではなく、時間を経た音楽との出会いが、その月の価値を決めるのです。
音樂活動 22 筆
4月は、レビューと共に振り返ります。 fafnirさんの4月は、エレクトロニック・ミュージックとロック、そしてR&Bの境界を自由に行き来する1ヶ月でした。Colonial PatternsのHuerco S.への再燃から始まり、Quiet Lightの「Blue Angel Sparkling Silver 2」やYvesの「NAIL - EP」といった現代的なアンビエント/エレクトロ作品への深い関心が目立ちます。同時にNine Inch Noils & BOYS NOIZEのコラボレーションでは、過去のインダストリアル・ロック史をエレクトロニック美学へ昇華させた試みを「混沌と破滅を、美学はそのままに昇華させた」と高く評価し、音響の歴史的な厚みを読む目利きが感じられます。 一方で、The Velvet RopeのJanet Jacksonへの再発見やLemonadeのBeyoncéを10年の時間差越しに捉え直すなど、ポップ・ミュージックの古典的傑作への立ち返りも顕著です。ノア・カーンの新作評では「グッドメロディーの宝庫」と単純な良さを認めつつ、現行シーンではエレクトロポップやグリッチポップといった最先端の音響表現に引きつけられている、という緊張感のある聴き手像が浮かび上がります。 グローバルな発掘眼も鮮明で、フィリピンのPetalbyteやチリのAKRILLAといった周辺地域のアーティストまで視野に入れながら、「20年代的なグリッチポップ」という共通言語で現在地を定義しようとする姿勢は、単なる消費者というより思考する音楽愛好家の営為そのものです。
音樂活動 17 筆
3月は、fafnirが遊牧的に音楽ジャンルを行き来した月でした。 THIS MUSIC MAY CONTAIN HOPE.、Ö、U、JUNK POPといった新世代の実験的ポップが目立つ一方で、Mezzanine、Felt Mountain、Anastasisといった00年代以前の古典を重ねながら聴いている様子が印象的です。Golden Oneではボーナス・アスの人力テクノに抗えず衝動買いするなど、フィジカルな音響への惹かれ方も強い。評価欄からは、ドリームポップからハウス、グリッチ、トリップホップ、アンビエント、ネオ・ソウルまで、ジャンルの幅が途轍もなく広いことが見てとれます。ジェイムス・ブレイクやハリー・スタイルズといったメインストリーム作を引き受けながらも、Fennesz参加のKinやKMRUといった尖ったアンビエント作を隣に並べる選別眼が光ります。 古い作品への立ち戻りと、いま旬の実験的ポップの追跡を同時に行なう、ある種の懐古と先鋭のバランスが、3月のfafnirを特徴づけていました。